JRAは競馬界を盛り上げるために様々な施策を行っていて、ファンに向けたものだけでなく馬主をはじめとした競馬関係者に向けたイベントも催しています。そんな数ある施策の中のひとつとして挙げることができるのが、サマーシリーズの実施ではないでしょうか。

そもそもこれは他の季節に比べるとどうしても人気が低迷しがちな夏競馬を盛り上げるためにJRAが企画したものであり、2006年にサマースプリントシリーズとサマー2000シリーズが始まっています。サマーマイルシリーズも2012年に創設されています。その翌年にはサマージョッキーズシリーズも創設されています。

はじめの間は盛り上がりを見せていたものの、今年を含め近年はチャンピオン馬の該当馬なしというケースも多く、存在意義が問われることも増えてきました。確かに多くの競馬関係者は夏競馬におけるこのシリーズよりも秋を見据えた馬づくりの方を重視しているので、どうしても夏に使い詰めするというのは難しくなります。これは気候的な問題もありますし、そもそものレース番組の問題もあるので致し方ないでしょう。

とはいえ、サマーシリーズがなければ恐らく今より夏競馬の重賞レース出走馬のレベルが低くなることはほぼ確実ですし、それは結果的にファン離れに繋がる可能性もあります。チャンピオンとなった馬の関係者に贈られるボーナスは確かに高額です。ですが金額面以外にも目を向けて新たな改革を行うことこそが、サマーシリーズの充実や今後の競馬人気に繋がるのではないでしょうか。

2019年のサマーシリーズの結果は、サマースプリントシリーズはタワーオブロンドンが21ポイント獲得しチャンピオンに。サマーマイルシリーズは、1位がグルーヴィットの11ポイントでしたが、規定ポイントを満たしていないのでチャンピオン該当馬なしに。サマー2000シリーズも同じく規定ポイント未満のため該当馬なしという結果に。3つのシリーズの中でチャンピオンが1頭のみというのはさみしくあり、明らかにこのシリーズ内容に問題があると言わざるをえません。

実は騎手部門のサマージョッキーズシリーズもあるのですが、今年は川田騎手が39ポイント獲得しチャンピオンに輝いています。夏競馬はGIレースがなく、G2レースも多くはないのでどうしても盛り上がりにくくなります。馬券ファンにとっては楽しみな時期かもしれませんが、そうでないファンにとっては楽しみは少ないでしょうね。しかし東京や京都といったメイン場開催ではなくローカル開催のため、旅行ついでに競馬場巡りをするというのも悪くはありませんよ。

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